ろーきしょ!

労働基準監督官について酒を飲みながらアレコレ書くブログ

監督官が使う本 表の三種の神器

監督官になると大量の本が支給される。部外秘な本もあれば、普通に書店でも購入できる本など様々であるが、監督官が業務上使用する本について守秘義務に反しない程度で紹介したいと思う。 今回は表の三種の神器、ということで書店でも買えるが監督官が拠り所…

許認可 最低賃金減額特例 終わりに

最低賃金減額特例制度について、障害者と断続的労働者についての記事を書いた。 この制度は他にも「試の使用期間中の者」「基礎的な技能及び知識を習得させるための職業訓練を受ける者」「軽易な業務に従事する者」の3つがあるのだが、これらの申請は非常に…

許認可 最低賃金減額特例 その5

今回は断続的労働に従事する労働者について。 そもそも断続的労働とは何か。厚労省のパンフレットには 「常態として作業が間欠的に行われるもので、作業時間が長く継続することなく中断し、しばらくして再び同じような態様の作業が行われ、また中断する、と…

監督署の電話番号

方面制署は部署ごとに電話番号が分かれる。業務課(代表番号)、方面、安全衛生、労災課の4つの番号があるのが普通だ。一方、課制署は部署ごとに番号が分かれておらず、全てまとめて一つの番号で受ける。 業務課(代表番号)に対する電話は、なぜか方面の職…

2月の監督署

局によって違うが、人事異動の発表が2月の末~3月の頭あたりにあるため、この時期の監督署は異動の話でイッパイとなる。なお、引っ越しを伴うことがない県内異動の場合は3月中旬の発表となる局が多い。 〇〇さんが〇署の署長、課長になる、〇さんは局の〇専…

監督官の学歴と出身大学

監督官採用試験は大卒相当の国家公務員採用試験だ。 大卒相当といっても22歳以上であれば中卒でも受験可能。監督官に限らず資格職以外の国家公務員採用試験はほとんどが学歴不問なのは意外と知られていない。 とはいえ、やはり大卒相当試験の採用者は大卒・…

いろんな監督課長

監督課長は3種類いる。 1.監督署の監督課長 労働基準行政の最前線である労働基準監督署の監督課の課長。当然監督官の専属ポスト。田舎の署であれば30歳そこそこで就任することもあれば、都会では50代で初めて就任する人もいる。監督署では実質的なナンバー…

業務課

民間でいう総務・会計を行う部門は方面制署であれば業務課、課制署であれば監督課庶務係になることは以前記事で書いた。今回はその業務課について。 業務課には常勤の課長、係長、係員、非常勤のパート職員がいる。常勤職員は基本的に全員事務官。 しかしこ…

筆頭平監督官

署内で筆頭平と呼ばれる監督官がいる。課長・主任等の役職がない民間でいう平社員の監督官を平監(ヒラカン)と内部では呼ぶが、その署の監督部署において最も経験年数が長い平監を筆頭平と非公式に呼ぶ。使われるのは監督官が多い方面制署にほぼ限られる。 …

年末年始の監督署

監督署も他の役所と同じように年末年始の12月29日~1月3日は閉庁し、職員は休暇となる。 若手の監督官は全国転勤のため(平成31年以降は地元採用だが)、地元が遠い職員が多くいることから、年次有給休暇を年末年始にくっつけて里帰りする人も多い。 署にお…

監督署あるある

ただでさえ狭い書庫の監督課が使える枠が就業規則だけで一杯になる ※どこの監督署も狭いところばかりだが、届出書類などを保管する書庫が就業規則ばかりで埋まってしまうこと。 就業規則(に限らず役所が保管する書類は全部)は内規で保存年限が決まっている…

許認可 最低賃金減額特例 その4

今回は最低賃金減額特例申請の一つである「障害者の労働」について書きたいと思う。 最低賃金は年齢、経験その他モロモロに関係なく一律に適用されるわけであるが「障害者で、その障害により著しく労働能力が低い場合」には、許可を得れば最低賃金未満で働か…

12月の監督署

12月は仕事のモチベーションが高くない月だ。ようやく1年が終わると今年の出来事を回顧し、早く年末にならないかなーと考えながら仕事をする。 国の機関は12月29日~1月3日は年末年始休暇のため閉庁する。また、その休暇の前後に更に年次有給休暇をくっつけ…

反省

ブログを見返してみると、小出しに、そしてバラバラに記事を書いてるため非常に読みにくい。酒飲んで書いてるから意味不明な箇所もたくさんあるため、随時修正したいと思います。 記事は現在10コ程作成完了しており、随時投稿予定。

監督官は一人親方

監督官は基本的に一人で仕事をする。事業場への法違反の調査、指導はもちろん、特別司法警察職員として所管する法令違反を刑事事件として捜査をする場合(内部的には司法処分という)も一人で行う。さすがに実況見分やガサ(令状をとって強制捜査を行うこと…

許認可 最低賃金減額特例 その3

最低賃金減額特例の許可者は労働局長だ。しかし、実際に申請を受け付けるのは労働局ではなく監督署の窓口だし監督署所属の監督官が許可に値するかの実地調査を行う。そして署長が「許可相当」と決裁を行った後に、労働局の「労働基準部賃金室」という部署に…

11月は過労死等防止啓発月間

11月は過労死等防止啓発月間だ。過労死防止対策シンポジウムなどのイベントが各地で行われる。 監督署でもこの月は少し特殊で他の月以上に長時間労働の違反や時間外労働の短縮指導を意識した監督を行うことになる。 監督署が調査に入る事業場を選定するため…

許認可 最低賃金減額特例 その2

最低賃金減額特例の種類は以下の5つがある。最低賃金法及び最低賃金法施行規則により定められている。 1.精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者 2.試の使用期間中の者 3.職業能力開発促進法に基づく一定な業務 4.軽易な業務に従事する者 …

許認可 最低賃金減額特例 その1

許認可業務の中で一番中心となるのが「最低賃金減額特例」だ。 「最低賃金」という言葉は聞いたことがあると思う。年齢、経験、業績結果等に関係なく必ず支払わなければならない賃金額のことだ。 その金額は時間給で定められているが、都道府県ごとにより異…

監督官のお仕事 許認可 総論

※1回中身丸ごと編集済みです。 監督官の仕事に「許認可業務」というものがある。行政法上の概念とは異なるが、監督署長や労働局長が「許可」「認定」することにより、例外的な扱いが認められる制度である。 この許認可業務は都道府県により、また、監督署に…

監督官と社会保険労務士試験 その3

監督官が社労士試験を受験するデメリットは「時間の無駄」これに尽きる。 社労士試験で監督官の実務に関係する科目は、労働基準法と労働安全衛生法、おまけして労災保険法と労一程度である。 ここで重要なのは、これらの科目は社労士試験においてマイナーな…

監督官と社会保険労務士試験 その2 免除科目

多くの国家試験には科目免除制度がある。社労士試験も例外ではなく、一定の実務経験により特定の科目が免除される。 何かと批判されがちが制度だが、科目免除を行って受験することは決して裏口でもなければインチキでもない、何らやましいことはないのだ。 …

またまたお詫び

このブログは何の工夫もせずにダラダラ文章を書いてるので、非常に読みにくい。 いずれは過去の全記事について、見出しをつけたりリンクをつけたり段落を調整したりして、読み手にやさしい工夫をしたいと思う。 今は基本酒飲みながら書いてるので読みづらい…

監督官と社会保険労務士試験 その1

監督官と社会保険労務士(社労士)の関係について先に書こうと思ったが、社労士ではなく「社労士試験」との関係を書きたいと思う。 社労士試験に合格している監督官は何人もいるが、割合で言うと相当少なく1割にも満たないのではないか。 ちなみにこの記事の…

監督官のお仕事  窓口業務その1

監督署には市役所と同じように窓口がある。監督署への届出が義務付けられている書面を受理したり、所管する法律に関する相談や、労働者(時には使用者)からの相談を受け付ける。 そう、労働者からの労働相談なども一応仕事のうちの一つだ。 なぜ、一応なの…

監督官の所属 安全衛生課 その1

監督官はその名の通り、監督課という部署に配属されるのが原則である。規模が大きい監督署であれば、監督課は「方面」という名前なのだが、大抵の監督官は監督課や方面所属ということになる。 監督署には「安全衛生課」という部署がある。安全衛生課はクレー…

監督官の役職 署長

署長である。その名のとおり、監督署のトップであるが、法律上労働基準監督官しか就くことはできない。つまり事務官や技官では署長になれない。 例外として「政令監督官」という制度がある。正直詳しくは知らないが、これは事務官や技官でも一定の条件により…

監督官のお仕事  監督指導その1

監督官の業務の中でやはり中心となるのが、適用事業場に対する監督指導だ。 適用事業場というのは簡単に言えば、労働基準法が適用となる労働者を雇用し、かつ労働基準監督署がその監督機関となる事業場だ。このへん語るとまた長くなるのでここでは省略する。…

監督官世代間対立

監督官の200名採用が始まって早5年。現在1年目から5年目までの若手だけで約1000名の監督官がいる。監督官全体で現場にいない人含めて最大に見積もっても4000名くらいだから、異常でしょ? 監督官の採用は毎年80名~100名前後で推移していたが、民主党政権時…

新人事制度という悪夢 その2

監督署には事務官、技官、監督官の3つの官職の職員がいる、 事務官が労災補償業務と庶務業務を、技官が安全衛生業務を、監督官が監督業務をそれぞれ担ってきた、いうのが前回のおさらい。 今から約10年前、公務員の削減が特に大きく叫ばれていたとき、 「…