ろーきしょ!

労働基準監督官について酒を飲みながらアレコレ書くブログ

監督官の役職 署長

 署長である。その名のとおり、監督署のトップであるが、法律上労働基準監督官しか就くことはできない。つまり事務官や技官では署長になれない。

 例外として「政令監督官」という制度がある。正直詳しくは知らないが、これは事務官や技官でも一定の条件により労働基準監督官として辞令を受け、署長になれるという制度らしい。しかし、実際に事務官、技官の署長というのは聞いたことがない。

 

 かつては監督官採用試験に合格して監督官になった場合、よっぽどの不祥事がない限り署長まで昇進することが約束されていた。

 

 しかし、4年前に監督官の200名採用というのが始まってから、署長になれずに退官する職員も出てくるのではという疑念が出てきた。ていうか実際出てくると思う。

 

 同じ労働局傘下の監督署にも序列があり、筆頭署(県庁所在地にある署)の署長と、田舎の監督署(小規模署)の署長とでは、同じ署長でもランクが違う。当然、筆頭署の署長の方が格が上であり、俸給表(公務員の給料)も差が付けられている。

 

 本省に行かなかった監督官にとって、署長というのは基本的に出世のゴールだ。普通に勤務していれば、50代前半から半ばあたりで就任する。

 ただ、小規模署の署長になった後に、労働局監督課の監察官になったり、監督課長以外の課長になったりしてから、筆頭署の署長になることもある。この辺は労働局によってマチマチである。

 

 また、筆頭署の署長になった後に労働局の監督課長になる場合もある。労働局の監督課長は都道府県内の監督署を指揮監督する立場であり、署長よりも立場が上だ。大抵は本省のキャリアや本省籍の監督官が就任することが多いが、一部の労働局では、署長を経験した生え抜きの監督官が就任する。

 

 署長は監督行政の最前線である監督署のトップだが、一監督官として事業場に調査に行くこともある。この辺人員不足が露呈しているというか、他の組織ではありえないことをやっている。

 

 他の記事でも似たようなことを書いたが、警察署の署長が一捜査官として特定の事件を捜査することがあるか?また、税務署の署長が一調査官として特定の会社の税務調査をすることがあるか?おそらくないと思う。

 

 しかし、監督署ではそれがある。署長が一監督官として、平の監督官と同じように特定の事業場の調査をし、法違反に対して是正指導を行う。まぁ実際は現場に行かない署長もいるが、人員不足にも程があるでしょw