ろーきしょ!

労働基準監督官について酒を飲みながらアレコレ書くブログ

2019-01-01から1年間の記事一覧

刑事と民事

刑事では嫌疑不十分で不起訴となったが民事裁判で勝訴したニュースが話題となっている。 刑事と民事の結論が違うのはおかしいだろ、というコメントが多々あるが、それは全くおかしい話ではない。 このブログで主張したいことは多々あるが、この刑事と民事の…

事務所衛生基準規則

前田恒彦元検事が事務所衛生基準規則(事務所則)に言及している記事を読んだ。本日付けの記事でyahooニュース等にも載ってるのでぜひ見てほしい。 事務所則は労働安全衛生法(安衛法)に基づく省令の一つ。 安衛法は省令に具体的な基準を委ねているため、膨…

神奈川県庁個人情報流出事件について

行政文書の入ったHDDを処分する委託を受けた会社の社員がパクッて売りさばいていた事件が大騒ぎになっている。 復元できる状態でブツを引き渡した県庁に大きな批判が向けられているが…これって労働行政、というか国も他人事ではない。 国の行政文書には一…

監督指導 その1

世間的には賃金不払いや長時間労働の指導しかしていないイメージがあるが、実は労働基準監督官は様々な業務を行っている。 とはいえ、やはり一番中心になる業務が事業場に対する監督指導である。 事業場に行き、或いは署に呼び出し、タイムカードやら賃金台…

ジャパンライフ倒産について

マルチで有名なジャパンライフが倒産したのは周知のとおり。 未払賃金立替払制度は知らない人も多いが、倒産(事実上含む)してしまったため賃金が不払いとなっている労働者について、労災保険料を原資にその8割を国が立替える制度である。その調査も監督官…

死ぬほど嫌だった・・・

かつて「死ぬほど嫌だった検察庁のお仕事」 というブログがあったが、最近はそれに触発されて 「死ぬほど嫌だった労働基準監督官のお仕事」 という本を出したいなと思ってる。 先を超されないうちにね。

賃金課長逮捕(だいぶ前w)

だいぶ前の話だが、厚労省労働基準局賃金課の課長が韓国で逮捕された。 賃金課長は労働行政における大ボスの一人といって良い。 本省の課長は一ノンキャリ公務員である地方の監督官から見ると上司の上司の上司の上司の上司、といった神様みたいな立場である…

監督官の服装

監督官には警察のような制服はない。しかし、作業服が支給される。この作業服は夏用と冬用の2種類に分かれ、更に労働局独自の作業服というのも存在する。 この作業服は、建設工事や工場といった、安全衛生を主眼とした監督指導を行う現場に行くときに着てい…

監督署都市伝説

監督官は過重労働かつサービス残業が当たり前 という噂がなぜか広まっている。 まず、基本的に役職がない監督官はほとんど超過勤務(以下「残業」)をしない。私は四国、東北、関東、北陸で勤務経験があるが、残業申請を月10時間以上行ったのは関東の某署に…

異世界監督官

現実の労働基準監督官がトラックに引かれ異世界に行って、安全衛生管理に不安を覚えて、元世界の安衛則を基本にあらゆる安全衛生を指導するっていう、だれか漫画書いてくれ。

作りたいなぁ

最近、踊る大捜査線を見返してるんですけど、、、 この、キャリアとノンキャリアの溝というか超えられない壁っていう題材に非常に惹かれてる。 労働基準行政も他の省庁の例に漏れず、ノンキャリアの監督官、ノンキャリアの局職員、キャリアの局職員、ノンキ…

監督官証票

監督官はその身分を証明するための証票を持っている。警察官の警察手帳と同じようなものと思ってもらって良い。 証票の表には金色で「労働基準監督官」と刻印があり、中は監督官の顔写真、名前、所管する法令と権限等々が記載されている。 この証票、基本的…

違反率

違反率という統計?がある。 これは監督指導を行った件数と、その中で法違反が認められ監督官が是正指導を行った件数を除したものである。 100件の事業場を監督し、50件で違反が認められれば、違反率が50%となる。 基本的に監督署ではこの違反率はあまり重…

悩ましいこと

書きたいことは山ほどあるが、なかなか考えがまとまらない。 このブログは基本的に酒を飲みながら何を書くか考え、実際に記事を作って公開している。そのため普段はブログの存在自体頭にない。 記事も飛び飛びになってるし(その1とか書いといて次がないと…

東京都と神奈川県が最低賃金1000円超

中央最低賃金審議会の答申が出され、東京都と神奈川県が初の1,000円超えとなった。その他の道府県でも過去に類をみないほどの上昇となる見込み。この後都道府県ごとの地方審議会に付されて最終的に最低賃金額が決まるわけだが、ふつうは中央審議会の答申にほ…

熱い日々が続く

本格的に夏になってきた。各地で真夏日が常態化し、猛暑日も珍しくなくなってきた。 この時期懸念されるのは、過去の記事でも書いた熱中症である。毎日のように熱中症の災害情報が署によせられる。 熱中症そのものは対策を講じてもどうしても発生してしまう…

労働大学校について

厚生労働省都道府県労働局傘下の職員、つまり労働局、労働基準監督署、公共職業安定所(ハローワーク)の職員が研修を受ける場所となるのが埼玉県朝霞市にある労働大学校である。 学校と名がついているが一般的な「大学」とは違い、公務員の研修所を指す。こ…

熱中症

週刊ポスト2019年6月14日号に興味深い記事が。厚労省本省内が暑すぎるというもの。 熱中症対策を呼び掛ける厚労省が自らの職場に対しては後手に回っているようだと皮肉で締めくくられている。 本省に限らず、労働局や監督署も非常に暑い。どんなに暑くてもク…

監督官が交付する書面 

監督官は労働基準法、労働安全衛生法等について事業場が遵守しているか監督を行い、違反が認められたり改善の必要性がある場合は文書で指導を行う。 監督官が事業場に交付する文書は主に3種類(他にもあるが非常にレアなため割愛する)。 1.是正勧告書 法…

労働時間改善指導・援助チーム

今年度から始まった労働時間改善指導・援助業務。署内の監督官を労働時間相談・支援班(支援班)と調査・指導班(指導班)の2つに分け、支援班は集団説明会や個別訪問により事業場に対し法令の周知や助言を行い、指導班は〇〇を行う。 支援班の個別訪問は監…

プレミアムフライデー

経産省の提唱だから厚労省は知りません。苦情も受け付けません。文句は経産省へお願いします ^^ って言いたいと思ってる職員が多いんだなぁ。

監督官が使う本 表の三種の神器

監督官になると大量の本が支給される。部外秘な本もあれば、普通に書店でも購入できる本など様々であるが、監督官が業務上使用する本について守秘義務に反しない程度で紹介したいと思う。 今回は表の三種の神器、ということで書店でも買えるが監督官が拠り所…

許認可 最低賃金減額特例 終わりに

最低賃金減額特例制度について、障害者と断続的労働者についての記事を書いた。 この制度は他にも「試の使用期間中の者」「基礎的な技能及び知識を習得させるための職業訓練を受ける者」「軽易な業務に従事する者」の3つがあるのだが、これらの申請は非常に…

許認可 最低賃金減額特例 その5

今回は断続的労働に従事する労働者について。 そもそも断続的労働とは何か。厚労省のパンフレットには 「常態として作業が間欠的に行われるもので、作業時間が長く継続することなく中断し、しばらくして再び同じような態様の作業が行われ、また中断する、と…

監督署の電話番号

方面制署は部署ごとに電話番号が分かれる。業務課(代表番号)、方面、安全衛生、労災課の4つの番号があるのが普通だ。一方、課制署は部署ごとに番号が分かれておらず、全てまとめて一つの番号で受ける。 業務課(代表番号)に対する電話は、なぜか方面の職…

2月の監督署

局によって違うが、人事異動の発表が2月の末~3月の頭あたりにあるため、この時期の監督署は異動の話でイッパイとなる。なお、引っ越しを伴うことがない県内異動の場合は3月中旬の発表となる局が多い。 〇〇さんが〇署の署長、課長になる、〇さんは局の〇専…

監督官の学歴と出身大学

監督官採用試験は大卒相当の国家公務員採用試験だ。 大卒相当といっても22歳以上であれば中卒でも受験可能。監督官に限らず資格職以外の国家公務員採用試験はほとんどが学歴不問なのは意外と知られていない。 とはいえ、やはり大卒相当試験の採用者は大卒・…

いろんな監督課長

監督課長は3種類いる。 1.監督署の監督課長 労働基準行政の最前線である労働基準監督署の監督課の課長。当然監督官の専属ポスト。田舎の署であれば30歳そこそこで就任することもあれば、都会では50代で初めて就任する人もいる。監督署では実質的なナンバー…

業務課

民間でいう総務・会計を行う部門は方面制署であれば業務課、課制署であれば監督課庶務係になることは以前記事で書いた。今回はその業務課について。 業務課には常勤の課長、係長、係員、非常勤のパート職員がいる。常勤職員は基本的に全員事務官。 しかしこ…

筆頭平監督官

署内で筆頭平と呼ばれる監督官がいる。課長・主任等の役職がない民間でいう平社員の監督官を平監(ヒラカン)と内部では呼ぶが、その署の監督部署において最も経験年数が長い平監を筆頭平と非公式に呼ぶ。使われるのは監督官が多い方面制署にほぼ限られる。 …