監督官と社会保険労務士(社労士)の関係について先に書こうと思ったが、社労士ではなく「社労士試験」との関係を書きたいと思う。
社労士試験に合格している監督官は何人もいるが、割合で言うと相当少なく1割にも満たないのではないか。
ちなみにこの記事の筆者は現役監督官のときに免除科目なしで合格している。
監督官は社労士試験を受験すべきか?
監督官であれば社労士試験は有利か?
当然個人的な見解であるが、結論から言うと現役の監督官であれば社労士試験は相当有利であるが、受験するメリットはほとんどない。
まずは受験に有利な点から語っていきたい。
有利な点その1 労働基準法と労働安全衛生法はほぼ無勉強で解ける。
まともに知識を吸収している監督官であれば、この2科目は特別勉強することはない。実務では使わないマニアックな条文を少し覚えなおすだけで良い。
また、実はこの2科目、監督官であれば1年目の新人でも申請すれば免除されるので、そもそも受ける必要もない。しかし満点を狙えるため総合得点の面から免除するのはもったいなく、受験する方がよい。変なやっかみも受けないしね。
有利な点その2 労災保険法もスムーズに頭に入る。
監督官やってれば労災課にいなくとも労災保険の話が自然と入ってくる。労災保険法がどういった法律で、何を規定しているのか、労災になるならないの基本的な基準くらいは頭にあると思う。あとはただの暗記だ。
有利な点その3 労務管理その他の労働に関する一般常識(労一)の足切に引っかかることがまずない。
その1とその2はただのおまけで、実は強調したいのはここだけである。労働基準法も労働安全衛生法も労災保険法も社労士試験においては大して難しい科目ではない。労働安全衛生法に至っては出題数が少ないため、捨て問覚悟でほとんど勉強せずに合格する人も多い。
しかし、労一に関しては違う。これはもう社労士試験における常識であるが、労一、特に選択式の問題が合格への一番の関門と言われている。。
その理由はただ一つ。
範囲が広すぎて一体何の問題が出るのかわからないからだ。
しかし、まともに監督官として仕事していれば、恐れることは全くない。監督官にとっては常識的な問題ばかり出題されるのだ。
もちろん全くの無勉というわけにはいかないが、見たことも聞いたこともない未知数の問題が出題される可能性は非常に低いと考えて良い。
私が受験した年も2chやSNSでカルトクイズ扱いされていたが、あまりに簡単すぎて拍子抜けしたことを覚えている。
勘違いしないでほしいが、監督官の頭が良いと言いたいわけではないし、実際別に監督官の頭が良いわけではない。ただ単に労一の出題傾向と監督官の仕事がマッチしてるだけ。だからこそ有利なのだ。
しかし、ここまで書いておきながら、監督官の社労士受験は決してオススメしない。なぜなら、、、
続く・・・