ろーきしょ!

労働基準監督官について酒を飲みながらアレコレ書くブログ

監督官のアカウント増加中

なぜか分からないが、最近労働基準監督官を名乗るSNSが増えているという。特にTwitterが顕著で、今年の10月くらいから爆発的にアカウントが増えているとのこと。

みんな我慢できなくなってきてるのかなぁ・・・

 

元々現役や元監督官が発する情報は少なく、ベールに包まれてる公務員という印象があったが、職員の採用数も増やしているし社会的に注目されている立場でもあるので、良い傾向だと思う。

 

監督官の仕事については社労士等がブログで様々書いているが、ハッキリ言って間違いだらけで目も当てられないので(弁護士ですら正確に理解してない)、それを正すべきだと思う。

 

個人的にはこれからyoutube等でも監督官について守秘義務に反しないレベルで色々情報を発したいと思っている。

ニュース記事にツッコミを入れる

労働基準監督署内にある雇用環境・均等部」って何だ・・・。はろわの職員が間違うわけないだろうから聞き間違いか?いやしかし、「パワハラなどのハラスメントを指導する」とか滅茶苦茶なこと言ってるから取材に応対した職員がア〇なのか?

 

意味不明な記事だ…

 

 

news.yahoo.co.jp

総合労働相談コーナーは監督署ではない

監督署の建物の中に総合労働相談コーナーがある。

総合労働相談コーナーとは労働基準法労働安全衛生法等の監督署が所管する法令以外の民事の労働問題について相談を受け、助言を行う機関である。雇止め、ハラスメント、解雇、配置転換等々様々な問題に対応する。

また、労働紛争について、助言・指導(会社に電話して法律、紛争の原因等を説明して自主的な解決を促す等) あっせん(労使双方の主張を聴取し、金銭的な解決を図る)も行う。

 

この総合労働相談コーナーには非常勤職員の総合労働相談員が最低1名、方面制署だと複数名所属している。

 

で、社労士でも勘違いしている人が多いが、この総合労働相談コーナーは監督署の一部署ではない。ではなにかというと、労働局の雇用環境・均等部(室)に属する。

監督署の建物の中にあり、相談員は方面(監督課)の職員と机を並べて一見したところ全く区別がつかないが、あくまで別の組織となる。

また、課制署においては電話番号も監督署と共有しているため、余計に外部からは判別がつかない。

相談員は非常勤職員であるため、原則として週4日以下の出勤かつ勤務時間が9時~16時30分である。そのため、相談員が不在の日や勤務時間外の8時30分から9時、16時30分から17時15分までの間は本来総合労働相談コーナーは閉まっているのだが、相談者に対して相談員がいないから後日来てねとは言えない(本来は言って然るべきと思うが)。

 

相談員が不在のときは方面所属の非常勤職員に対応してもらうが、一部の時差出勤を実施している監督署以外は非常勤職員は全員が9時~16時30分勤務のため、結局監督官が対応しなくてはならなくなることも多い。相談員在籍時だが手が空いていないときも同様である。

逆に相談者がいないときは、相談員が36協定等の届出書類の処理をしている監督署も多い。持ちつ持たれつのような関係である。

個人的には事務分掌が滅茶苦茶で非常に良くないことだと思う。

相談の過程で方面に引き継ぐこともあるため(逆も然り)、同じ建物内にあることは有益だと思うが、業務が混在しているのは問題であろう。

 

余談であるが、総合労働相談員を束ねるのは雇用環境均等部の労働紛争調整官であり、中堅どころの監督官が就くポストである(大規模局はベテラン監督官が就く統括紛調官もいる)。ここに就くと監督官から事務官に転官することになる。民事紛争を担当するポストのため監督官が就くのは不味いからとのこと。

労働基準監督官の人数 3

 

 

監督署関係のニュースでは、監督官の人数は大抵全国に約3,000人と書かれている。

しかし、監督官と一口に言っても、現場の職員ではない本省や労働局在籍の監督官もいれば、署在籍でも基本的に現場要員ではない署長(署長は必ず監督官)、そもそも監督業務を行わない労災課所属の監督官等もいる。

当然、監督官の全人数=現場の戦力ではないので、監督官の全人数を前提に一人当たり〇〇〇事業場だから監督官が不足してる、してないという議論は不適切である。

 

ということで、実際現場の監督官は何人いるのか調べてみた。参考にしたのは(株)労働新聞社発行の令和元年度版労働行政関係職員録。ちなみにこの本は令和元年度を最後に廃刊となった。

 

結論から書くと、本省在籍の監督官は約17人、労働局在籍の監督官は約401人、署在籍の監督官は約2,558人、合計で2,976人となった。

また、署在籍の監督官から、監督部署以外の監督官(署長、副署長、安全衛生課所属監督官、労災課所属監督官)を除いた人数は、約1,809人となった。

 

しかし、この数値は精度に大きな問題がある。

 

カント君

Twitterのろーきしょ界隈を賑わせている「カント君」というアカウント名。
関係者はこのアカウントが登場してクスッとしたことだろう。

カント君とは、監督官が事業場に交付する是正勧告書や指導票等の文書をパソコンで作成するツール(エクセル)のことである。

通常監督官が事業場に交付する文書は手書きなのが原則。なぜなら、事業場に対する監督は臨検と言って抜き打ちでズカズカ乗り込んで調査して、違反が認められればその場で文書を作成して交付するから。

しかし、労務管理担当者を監督署に呼び出して調査することや、臨検するもその場で違反の有無を判断できず一度持ち帰って検討した上で担当者を呼び出し文書を交付することもある。

そういった場合に使用するのが、カント君。もちろん通常どおり手書きで文書を作成して交付しても良いのだが、パソコンで作成する方が圧倒的に楽なので、カント君を使用する監督官は多い。

このカント君。私も詳しくは知らないのだが、厚労省の公式ツールというわけではなく、東京労働局の某部局が独自に作成しているものらしい。非公式?に作成されたツールを使用して本当に良いのか謎である。しかし当たり前のように内部では使用されているのでまぁ良いんだろうw