ろーきしょ!

労働基準監督官について酒を飲みながらアレコレ書くブログ

許認可 最低賃金減額特例 その3

 最低賃金減額特例の許可者は労働局長だ。しかし、実際に申請を受け付けるのは労働局ではなく監督署の窓口だし監督署所属の監督官が許可に値するかの実地調査を行う。そして署長が「許可相当」と決裁を行った後に、労働局の「労働基準部賃金室」という部署に上申し、労働局長の許可を伺うことになる(実際は労働基準部長の専決事項である局が多い)。

 実質的な二重のチェックが行われることになる。

 そして労働局長の許可がなされた後には、労働局から監督署に許可書が送付され、担当監督官が事業場に許可書を手渡して処理終了となる。

 ※時々なんで許可書を交付するのに呼びつけるのか、郵送ではダメなのか、などと文句を言ってくる事業場があるが、許可書の重みを理解してほしいものである。

 

 この最低賃金減額特例、署によっては監督官一人当たり年間数十件こなさなければならない。1件処理するのは法違反の調査を1件行うのと同じ業務量という前提で業務計画が組まれることが多く、こればっかりやって1年が終わるという監督官もいる。

 

 最低賃金減額特例に限らず、監督署が処理する許認可業務は行政手続法に基づき標準処理期間が定められており、その期間は15日だ。原則として受理日から15日以内に調査をして復命書を書き上げ、局長の許可を得て許可書を交付せねばならない。

 

 だから、申請がきた場合は速やかに担当の監督官が決められ、標準処理期間を意識する監督官は、他の予定を押しのけて優先的に処理することになる。

 

 ※この標準処理期間は絶対的なものではなく、それが過ぎたからといって基本的には何らの御咎めもないため、全く意識しない監督官もいるが、それは行政マンとしては失格である。もちろんどうしても15日を過ぎることはある。監督官だって手ぶらで申請を待っているわけではない。他にやらねばならぬことがたくさんある中で処理するので、15日はあくまで目安だと思ってもらいたい、という思いがある。

 

 さて、調査をして許可相当であるとスムーズに判断できればそれに越したことはないのだが、中には許可が難しいのでは?と思う事案もある。

 

 

 続く・・・