ろーきしょ!

労働基準監督官について酒を飲みながらアレコレ書くブログ

総合労働相談コーナーは監督署ではない

監督署の建物の中に総合労働相談コーナーがある。

総合労働相談コーナーとは労働基準法労働安全衛生法等の監督署が所管する法令以外の民事の労働問題について相談を受け、助言を行う機関である。雇止め、ハラスメント、解雇、配置転換等々様々な問題に対応する。

また、労働紛争について、助言・指導(会社に電話して法律、紛争の原因等を説明して自主的な解決を促す等) あっせん(労使双方の主張を聴取し、金銭的な解決を図る)も行う。

 

この総合労働相談コーナーには非常勤職員の総合労働相談員が最低1名、方面制署だと複数名所属している。

 

で、社労士でも勘違いしている人が多いが、この総合労働相談コーナーは監督署の一部署ではない。ではなにかというと、労働局の雇用環境・均等部(室)に属する。

監督署の建物の中にあり、相談員は方面(監督課)の職員と机を並べて一見したところ全く区別がつかないが、あくまで別の組織となる。

また、課制署においては電話番号も監督署と共有しているため、余計に外部からは判別がつかない。

相談員は非常勤職員であるため、原則として週4日以下の出勤かつ勤務時間が9時~16時30分である。そのため、相談員が不在の日や勤務時間外の8時30分から9時、16時30分から17時15分までの間は本来総合労働相談コーナーは閉まっているのだが、相談者に対して相談員がいないから後日来てねとは言えない(本来は言って然るべきと思うが)。

 

相談員が不在のときは方面所属の非常勤職員に対応してもらうが、一部の時差出勤を実施している監督署以外は非常勤職員は全員が9時~16時30分勤務のため、結局監督官が対応しなくてはならなくなることも多い。相談員在籍時だが手が空いていないときも同様である。

逆に相談者がいないときは、相談員が36協定等の届出書類の処理をしている監督署も多い。持ちつ持たれつのような関係である。

個人的には事務分掌が滅茶苦茶で非常に良くないことだと思う。

相談の過程で方面に引き継ぐこともあるため(逆も然り)、同じ建物内にあることは有益だと思うが、業務が混在しているのは問題であろう。

 

余談であるが、総合労働相談員を束ねるのは雇用環境均等部の労働紛争調整官であり、中堅どころの監督官が就くポストである(大規模局はベテラン監督官が就く統括紛調官もいる)。ここに就くと監督官から事務官に転官することになる。民事紛争を担当するポストのため監督官が就くのは不味いからとのこと。