監督署には市役所と同じように窓口がある。監督署への届出が義務付けられている書面を受理したり、所管する法律に関する相談や、労働者(時には使用者)からの相談を受け付ける。
そう、労働者からの労働相談なども一応仕事のうちの一つだ。
なぜ、一応なのか。それは、相談業務は監督官個人の仕事の実績には一切ならないから。
例えば、監督官が2人いて、1人の監督官が会社に調査に行って法違反の指導をしてきました。もう1人の監督官は、丸一日窓口で労働者の相談相手になっていました。
この場合、当然、法違反の指導をした監督官には、「1件指導をした」という実績が残るが、窓口で相談に乗っていた職員には
事実上何の実績も残らない。
つまり、その日何の仕事もしていないのと同じ扱いとなる。
監督官は法律違反の調査、指導をするのが何よりも最優先すべき業務だ。だから、窓口の相談業務は「おまけ」みたいなものであり、業務実績として扱うものではない、というのが役所のお偉いさんの考え方、ということなんだろう。
相談だけではなく、各種届出の受理業務も同じだ。窓口関係の仕事は実績として何も残らない。
だから窓口業務を嫌う監督官は多い。特に労働相談は突発的に1時間、2時間の時間が取られ、その日作成するはずだった復命書(調査報告書)や本来行くはずだった調査も潰れたりするので、できれば当たりたくない仕事なのだ。もちろん重要な仕事であることは認識しているが。これも人員不足が一番の原因。
続く・・・