ろーきしょ!

労働基準監督官について酒を飲みながらアレコレ書くブログ

監督官が使う本 表の三種の神器

監督官になると大量の本が支給される。部外秘な本もあれば、普通に書店でも購入できる本など様々であるが、監督官が業務上使用する本について守秘義務に反しない程度で紹介したいと思う。

今回は表の三種の神器、ということで書店でも買えるが監督官が拠り所とする本を紹介する。

 

1.コンメンタール労働基準法上・下

コンメンタールというのは法律の逐条解説本を指す。一条一条詳しい解説が記載されている。

監督官として採用されるとまず読めと指示されるのがこの本。労働法コンメンタールの一つであり、厚生労働省労働基準局が監修している本のため、この本の中身=労働基準監督署の公式見解と考えて差し支えない。

 

労働基準法について疑義があったとき、真っ先に読むのがこの本となる。

監督官にとっては、表の憲法、というような本。

 

2.労働基準法解釈総覧 

この本は条文ごとの通達が記載されている。通達とは役所の上部機関が下部機関に対して行う指示文書のことで、法律の運用について具体的に現場でこう解釈せよ、というものだ。通達について、別途記事を一本作る予定。

 

この本も厚生労働省労働基準局監修のため、役所の公式本といってよい。コンメンタールとともに監督官は穴が空くまで読まなければならない。

 

3.安衛法便覧

労働安全衛生法(安衛法)と関連する政令、省令、通達等が網羅されているのがこの本。3冊セットで年々分厚くなっている。

膨大な安衛法関係の法令が記載されており、監督官が一番使用する本といっても過言ではない。

この安衛法便覧をいかに使いこなすかが優秀な監督官か否かを決定づける。監督署は産業安全を主眼としている役所のため、安衛法は労働基準法以上に重視される法律だが、中身は難解かつ複雑で、理解するのに一苦労な法令でもある。

安衛法に関する法令は毎年改定されるため、この安衛法便覧も毎年支給されるが、高額(15000円!)であることが理由なのか署にいる監督官の人数より支給数は少ないため、若手は古い安衛法便覧を使わざるを得ない場合もある。

 

 

というわけで表の三種の神器を紹介した。表、ということは裏もある。