ろーきしょ!

労働基準監督官について酒を飲みながらアレコレ書くブログ

刑事と民事

 刑事では嫌疑不十分で不起訴となったが民事裁判で勝訴したニュースが話題となっている。

 刑事と民事の結論が違うのはおかしいだろ、というコメントが多々あるが、それは全くおかしい話ではない。

 このブログで主張したいことは多々あるが、この刑事と民事の違いは最も書きたかったテーマの一つ。

 なぜなら、刑事と民事の違いというのは労働法令で特に顕著にあらわれ、最も悩ましいものであるから。

 

 労災認定の裁判では100時間を超える時間外労働時間が認められたが、それを刑事事件として捜査しても半分の50時間にしかならない、というのは当たり前にある。また、賃金不払いについても、刑事事件としては全くモノにならない(客観的な証拠がない)場合であっても民事裁判では労働者側の主張が全面的に認められることもある。

 

 これは偏に刑事裁判と民事裁判で求められる立証責任の度合いが全く違うからであるが、詳しくはまた後日。

 

 

 ※刑事と民事で結論が異なること有り得るというだけで、当該事件が不起訴になったこと、検察審査会でも不起訴相当となったことが妥当という意見ではないです。念のために書いておきますが。 不起訴になった経緯も不可解な点があると個人的には思います。